
総務省消防庁の資料によると、今年の7月7日~7月13日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、8,546人。
そのうち住居内で緊急搬送された方は3683人で全体の43%。部屋の中にいるからといって、決して安全ではないのです。
昼間のリビングに加え、夜間に寝室で発症する場合も多く、一日を通して油断ができない状態になっています。
総務省消防庁 熱中症情報
まず、屋内が暑くなる原因は以下が考えられます。
●外からの熱の侵入
大きな要因が、窓から入る強い日差しです。遮光をくふうしたり定期的な換気を十分にしないと日光の熱が室内に蓄積していきます。
建物の屋根や壁が温められることで室内の熱気が逃げにくくなり、外気温が下がっても室温は下がらないことがあります。
熱しやすく冷めにくいコンクリート造のマンションの最上階の部屋や、戸建てでも屋根裏と接する2階の部屋、南や西向きの窓がある部屋などは、室内が暑くなりがちかもしれません。
●室内での発熱
室内で発生する熱も、室温の上昇に影響します。
照明や電子機器などは使用時に温度が高くなります。ずっと電源を入れたままの冷蔵庫や、保温状態の炊飯器や湯沸かしポットなどの家電製品は、熱を長時間放出し続けます。
また、人が大勢集まるほど熱はこもりやすくなります。
●部屋の湿度が高い
部屋の温度がそれほど高くなくても、湿度が高いと暑く感じられます。これは体から出る汗が蒸発しにくくなり、気化熱により体温が下がるのを妨げるためです。
窓を閉め切った部屋の中の方の湿度が高くなることがあり、外出から帰宅した際に暑さを感じる要因になるようです。

【できる対策は?】
●エアコンやサーキュレーターを使う
冷房の設定温度を1℃上げると消費電力量は約13%減るといわれており環境省は省エネのため夏季は室温を28℃にすることを推奨しています(設定温度ではありません)。
特に熱気がこもりがちな吹き抜けの2階やロフトには、サーキュレーターで風を送り部屋全体が涼しくなるよう空調効率を高めましょう。
●遮光カーテンを閉める
外出時はカーテンを閉めるなどして日射熱の侵入を防ぐことが大切です。遮熱(断熱)効果もあるタイプを選べば冷房効率をアップさせることもできます。
●換気をする
エアコンの電源を入れる前に室内の窓を開けて温まった空気を外に逃がしてから稼働させると室内を効率よく冷やせます。
外の気温が低い朝晩の比較的涼しい時間帯に行うのが効果的です。
●観葉植物・グリーンカーテン、すだれやよしずを取り入れる
熱を遮断しつつ風を通す絶妙な空気層になっており、直射日光を防ぎながら効率よく換気もできます。